常滑焼 甚秋陶苑(伊藤成二)作 白藻掛け茶壺 150ml|by東山堂
常滑焼甚秋陶苑(じんしゅうとうえん)の白藻掛け急須です。縦長の形状と藻掛け技法による模様が特徴です。中国茶や台湾茶を淹れるのに、ちょうど良い容量です。
甚秋陶苑の伊藤さんは、茶器を約50年作り続ける常滑焼の職人です。茶器を作るだけでなく、日常的に中国茶や台湾茶を飲み、お茶に対する造詣が深い人です。伊藤さんは国内だけでなく、中国や台湾でも評価が高い、急須作りにおける現代の名工です。
(伊藤成二氏 略歴)
1949年愛知県常滑市に生まれる
1970年作陶活動を始める
経済産業省認定 伝統工芸士 (常滑焼 総合部門)
伝統工芸品産業功労者 経済産業大臣表彰
宮内庁 御用達
長三賞陶業展 長三賞受賞 10回
第34回萬古陶磁器コンペ2020 優秀賞受賞
中国・宜興第一回世界壺芸大賞 銀賞受賞 (*急須の品評会)
第6回台湾国際金壺陶芸展 評審推選奨受賞 (*急須の品評会)
他にも受賞多数
「藻掛け」は、常滑焼の伝統技法です。約200年前、常滑の陶工が開発したと言われています。知多半島で採れる小海女藻という海草を、急須表面に貼り付け、焼成後に藻の中のミネラル成分が、模様として残ります。
急須に使われる陶土は薄い茶色で、急須の外側のみ白い釉薬を掛けます。この陶土に含まれる小さな鉱物が、黒点となって見えます。無数に広がる小さな黒点と、藻掛けによる線状の模様は、星空に浮かぶ星座のようです。
伊藤さんが作る急須は、使いやすさを極めた茶道具です。注水の流れは滑らかで、湯切れがとても良いです。蓋と胴体の接地面を丁寧に研磨し、蓋は胴体に隙間なく収まります。把手の角度や、全体の重量バランスなど、使いやすいように細部までデザインされています。
急須側面の縦筋は、急須をろくろで回しながら、箆(へら)で下から上へ模様をつけます。急須の肩のラインが揃っていることが、大事なポイントです。急須の肩がきちんと成形されることで、メリハリの利いた美しい形状になります。
急須の内側の茶こしも、常滑の同じ土で作られています。手作業で作る網状の茶こしは、常滑焼の伝統的な技術です。精緻なものづくりと、工芸的なデザインが共存する素晴らしい急須です。常滑の土の質感と知多半島の海を生かした、日本の風土と伝統を感じられる急須です。
<急須> 愛知県産
作り手: 甚秋陶苑 (常滑焼)
焼成: 電気炉
サイズ: 全長12cm(把手・口含む)、胴径7cm、高さ8.5cm
容量: 150ml
重さ: 約130g
梱包: 紙箱
備考: 手作りなので、一点ずつわずかに違いがあります。
蓋と胴体間の密閉性は良好です。水を注ぐ様子は、下記youtube動画で確認いただけます。
白藻掛け茶壺 - YouTube
*常滑焼
常滑焼は、愛知県常滑市で作られる陶器です。中世における、日本最大の窯業産地であり、皿、碗、鉢などの日用品以外にも、甕や壺などの大型陶器も多く作られました。
江戸時代末期(西暦1858年頃)から、朱泥茶器や酒器も作られました。昭和中期(西暦1962年)以降、朱泥向け電気炉の技術が確立されました。常滑の急須は、約1100℃で焼成されます。常滑泥土は1200~1300℃の高温になる薪窯より、やや低温の電気炉と相性が良い土です。
数百万年前、東海湖と呼ばれる湖の底にあった常滑地方には、朱泥、黒泥など急須向きの粒子が細かい土があります。常滑には高い成形技術や、「擦り合わせ」と呼ばれる急須の蓋と胴体を隙間なく合わせる技術など、急須作りに必要な技術が集積しています。日本最大の急須生産地です。
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